« My Dearest Paumer | トップページ | Charity Coffee »

2004/12/29

N1 Grid Technology Architecture Overview

※これは以前のブログサイトに掲載されていた記事を移行したものになります。

 N1 Grid のテクノロジー・アーキテクチャは2002年発表当時は大きく3つのレイヤにカテゴライズされており、それに将来のユーティリティコンピューティングの実現を視野に入れたカテゴリが追加されて、以下のような概念としてまとめられていました。

N1_Arch_overview

 それぞれのテクノロジー・カテゴリでの内容はおおざっぱには以下の通りです。

  • インフラストラクチャ・プロビジョニング
    ネットワークに接続される異機種混在のコンピューティング・エレメントを仮想化し、抽象化されたリソースの集合体をリソース・プールとして形成します。リソースの割り当てはシステム側で動的に行われます。
  • サービス・プロビジョニング
    管理者が特定のビジネス・サービス(例えばオンラインチケット販売とか)を定義すると、N1 Gridは抽象化されたコンピューティング・リソースから構築された仮想コンピュータ上に、ビジネス・サービスの提供に必要なミドルウェアやビジネス・ア プリケーションを自動的にプロビジョニングします。
  • サービスレベル・オートメーション
    ビジネス・サービスの目的に沿った管理をN1 Gridが自動的に実行します(サービス志向の管理フレームワークの提供)。ビジネスのニーズや優先順位を反映したポリシーを利用して、アプリケーションや必要なネットワーク上のリソースが管理され ます。すなわち、当該ビジネス・サービスのサービスレベルを維持しながら継続的なサービス提供を自動的に行うことになります。


 それをベースに N1 Grid への取り組みを進めてきましたが、ここ1年くらいで若干の方向性の見直しを図り、より具体的かつ現実的効果が認められる分野に注力するようになり、それに伴いアーキテクチャの概念図にも多少の修正が加わっています。

N1_Grid_System_Overview

 N1 Grid実現にむけて、インフラやアプリケーション・プロビジョニングの技術は欠かすことのできないものですし、サービスレベル・オートメーションの実装がが重要であることは変わりません。が、最近では、まだまだ実現までに課題の多いサービス志向の管理フレームワークの実現よりも、すでに市場からのニーズもある仮想化・プロビジョニング技術の充実とユーティリティ課金モデルに必須のTelemetry技術、特にリソース利用履歴の蓄積とレポーティング機能の実装を優先し、より現実的な取り組みに注力していると言えます。

 話はちょっと変わりますが、現在、Sun ではビジネスモデルとしてのユーティリティ・コンピューティングに力を入れており、N1 Grid の範疇では解決できない従量課金の仕組みといった Financial/Legal/Business Issue をひとつずつクリアしている段階ですが、現状に置いても既にこのモデルをベースにして SI ベンダーとの協業を発表できるような状況にあります。
 こうしたビジネス的課題をクリアしてビジネスモデルとしてのユーティリティ・コンピューティングの土台が築かれたその上に、このユーティリティ・コンピューティングを技術的に支え、より粒度の高い要求要件の変化に柔軟かつ自動的に呼応し、Service on Demand を具現化する N1 Grid テクノロジーが加わることにより、テクノロジー・イノベーターとしての Sun にふさわしいユーティリティ・コンピューティング・ソリューションが提供可能になるのだと考えています。

 最近、Sun は N1 Grid をあまり言わなくなったという話を時々耳にしますが、こうしたことからもわかるように、Sun の考える次世代コンピューティング・インフラは N1 Grid によって統合の方向へ着実に向かっています。むしろ、今なお適応範囲は限定されるものの、より現実的な技術として進化を遂げていることにより、Buzz Word的にN1 Gridを使って語ることは少なくなりつつあり、代わりにN1 Gridのコンセプト/テクノロジーを取り入れた具体的なソリューションという形で現れてきていると言えます。N1 Grid for SAPなどはその一例と言えるのではないかと思います。

|

« My Dearest Paumer | トップページ | Charity Coffee »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/73545/2452338

この記事へのトラックバック一覧です: N1 Grid Technology Architecture Overview:

« My Dearest Paumer | トップページ | Charity Coffee »