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2005/07/21

HP、リストラやるようです

あちこちで記事になってるの(こんなのとか、こんなのとか、こんなの)で、IT業界にお勤めの方はもうたいがい読んでるであろうお話です。

この話自体はもう随分前からOn-Lineメディアでもウワサとして出てましたし、先週末の金曜日あたりには、「来週7/18あたりをメドに何らかの発表がある」みたいなことがThe Mercury Newsなんかにも載ってましたので、あまり驚きはなかったんではないでしょうか。

ですが、コストカッターの呼び声も高いだけに結構ドラスティックにやるのかと思っていたら、意外とそうでもなく、ゆえにアナリストの期待してたほどでもなかったせいか、発表後は株価が逆に下がってしまいましたね。

今回の発表に関する記事をいくつかみてみると情報システム、人事、ファイナンスの各部門を中心に人員については削減、営業職は最小限に、R&Dはある程度現状維持の方向ということなので、コンパックとの合併後に実施したリストラでも思いのほか人数は減らしてなかったということでしょうかね。間接部門をさらに切るということは、統合時にはあまり実施しなかった(あるいはできなかったか)のではないかと。

また、組織に関しては、CSGと呼ばれる営業組織は解体し、TSG、PSG、IPGというビジネスユニットにCSGの人員をそれぞれのターゲットセグメントに応じて割り当てるということで、CSGのEVPであるマイク・ウィンクラーという人は退任。前任のCEO時代に統合の方向にあったプリンタ事業とPC事業は再び分離することになり、PC事業にはPalmOneの前CEOを据えたり(こちら)。あとそれ以外にも新CEOが連れてきた人材が最近MarketingのEVPとかCIOに新たに就任してたり。新CIOは、なんとデルからCIO引き抜いていました。アナリストに散々合併効果が出てないと言われてるPC事業の収益改善に向けて、デル・モデルと言われる究極のSCMを支えてきたITの総責任者をCIOに据えること改善をもくろんでのことでしょうか。

なんとなくこうした新CEOが行ってきた一連の動きを見てると、こういう人もいるんだなーと考えを新たにしました。どうもガイジンというと、新たに役職に就任すると何はともあれ前任者とは違うことをいきなりやりたがって、下が困ろうが何しようが、それまでうまくいってた組織やプロセスまで変えたがる人ばっかという印象が強かったんですが。

このNCRから来た新CEOは、就任後数ヶ月は組織もいじらず静観しつつ各地域・各国のHPをめぐって自分なりに色々理解をしようとしてたようで、その後、前述のような役員人事と組織変更に少々手をつけ、その後今回のような大きな組織変更とリストラ計画を打ち出しています。また、どこかの記事でみましたが、彼が人員削減する時に必要なこととして、人員削減にはプロセス改善が必須で、いままで100人でやってたものを80人にしても同じ事を同じやり方やれというのは無理な話でそれはいずれ破綻すると。減らしたなら80人でもこなせるようなプロセスに改善するか何かを切り捨てる必要があり、それを実施しなければ効果は出ないと。実際、やるならちゃんとそうしてもらいたいとみんな思うでしょうね。人を切るだけ切って、でも以前と同じ仕事量を同じプロセスで以前より少ない人数でこなせっていう会社、結構多いと思いますよ~。HPもやるのはこれからだから、CEOの言うとおりになるかどうかは結果が出てみないとわかりませんが。

何より、今回の計画では、会社自体が赤字で財務体質も悪化し、業績も上向かないという負のスパイラルから抜けるためにリストラを実施するのではないというところに意味があると思うわけです。会社の業績自体はここ数年上向いてますし、決して財務体質も悪いわけではないようですが、しかし将来にわたって競争力を維持するために、会社に余力があるうちに先に手を打っておくということなのでしょう。

たいていどこのベンダーもリストラやるときは既に会社の業績が悪化傾向にあったり赤字転落してからやったりするもんだから、ドラスティックにやらざるを得ず、その割りに効果があまり出なくてさらなるリストラ実施という負のスパイラル突入、なんてこと少なくないわけですが、今回のHPのリストラはそういう状況下で行うわけではないワケです。ちょっと前にIBMがPC事業をレノボに売却しましたが、会社自体が健全なうちに不採算事業化しつつあったPC事業を、まだ価値が高いうちに切り離したりしましたが、HPとしても業績が上向いていてある程度余力があるうちに改善していこうという意図が感じられます。

その反対の例として、日本のITベンダーの雄、富士通なんかはいまだに赤字体質から抜けられず、リストラやったら優秀な社員は去るわ残った社員のモチベーションは下がるわ暴露本は出されるわ散々です。おまけに、液晶事業の売却時期を誤ったおかげで買い手をさがすのに苦労してシャープに買い叩かれるわで相変わらず苦しんでますよね。似たような外資系ITベンダーもいくつかありますし。

なんとかコスト構造を改革して財務体質をさらに改善させつつ、現状とのバランスを何とか取りながら進めていこうと考えてるような気がしてます。

といって、実際に対象となった人からしてみれば、誰が何を言おうが、会社としては正しい方向だと言われようが、そんなの知ったことかって気持ちになるのはやむをえないですよね。でも今時、ITベンダー(に限らなくなってきたと思いますが)にいて、平穏無事に定年迎えられると考えるほうムリがあるように思います。どのベンダーもこういうことは儲かっていようがいまいがあり得ることなので、普段からそういう事態に備えておきたいものです。

同じIT業界に身を置くワタクシとしては、いろんなベンダーのこういう話が記事に出るのを見るたびに考えさせられます。「はやくマンションの借金、返して身軽にならんとなー・・・」とか、「いやいや、いっそ限界までカネ借りて商売でも始めるか。しくじったら破産手続きして逃げちゃおかな。」とか。。。

ま、書くネタも尽きてきて、いつの間にか「あびぃの子育て奮闘記」みたいなブログになってましたが、たまにはこういうマジメなことも考えているのだと少しだけアピールしたいワタクシなのでした。

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