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2006/05/06

楽しい日々を

その娘の名前はVaishavi (たぶんね。難しくてよく聞き取れなかったけど・・・)。5才の女の子です。
府中からお父さんとお母さんと一緒に歩いて遊びに来たそうです。

5月5日のこどもの日。こぞーの願いもむなしくディズニーランドには当然行きませんでした。じゃあ、何したのかというと、クワガタが欲しいというので一橋大学のキャンパスにクワガタがいそうなクヌギの木を探しに行きました。おくさんと下のこぞーと、みんなで自転車に乗って。

ひとしきり探して、キャンパスの中にある陸上競技場に出ました。だだっ広くて緑のフィールドに、下のこぞーの目がキラリ。大喜びで走り回りはじめました。上のこぞーもフィールドに出て、持ってきたグローブとボールでワタクシとキャッチボールなぞ。

そうして、うちのこぞーどもがボールで遊んでると、一人の女の子が遊びに入りたそうにしながら近づいてきました。少しの間、そばで見てるだけでしたが、ボールが近くに転がったのをきっかけに加わってきました。うちの上のこぞーは人見知りなので、知らない子が来ると無視するか遊びをやめてしまいます。下のこぞーは、まだ遊べるほど大きくもなく、分別もないので相手にはなりません。

その子が来てすぐ遊びをやめてしまってはかわいそうだったので、ワタクシが相手をすることにしました。上のこぞーも最初は遠慮がちでしたが、途中からまた入ってくれて3人で。20分くらいたったでしょうか、上のこぞーがのどが渇いたからお茶買ってくるといっていなくなったので、ちょっと休憩に。

「あの子、どうしたの?」と彼女が聞くので、「のどが渇いたから何か飲みたいって。飲み物買いに行ったんだよ。」って。

それをきっかけに、彼女と少し話をしました。

最初に見たときから、この子はインド人だとすぐわかりました。目が大きくて、特有の顔立ち。かつてロシアに住んでいた頃、アパートでよく遊んだインド人の子たちを思い出します。女の子は特にかわいい。

遊びに加わったときには、少し日本語をしゃべったのでわかるのかと思ったんですが、飲み物のことを聞かれたときは英語でした。英語で答えたあと、「日本語、話せる?」って聞いたら「ほとんどわからない。」って言うので以降は英語で話しました。

いろいろ、話をしてくれました。

ワタクシ:「どこから来たの?」
Vaishavi:「バンガロールから来たの。」
バンガロールといえば世界中のIT企業がオフィスを構えるインドのシリコンバレー。日本人会もあります。
ワタクシ:「いま、どこに住んでるの?」
Vaishavi:「府中。マルショウ、知ってる?」
ワタクシ:「ああ、スーパーの丸正ね、知ってるよ。」
Vaishavi:「丸正のある通りをまっすぐ行って、旗がある建物が見えたら曲がるの。そこが家。」
(旗が見える建物って、なんだろなー・・・ちょっとわからん)

Vaishavi:「くるる、知ってる?」
ワタクシ:「くるる?うーん、わかんないなぁ。」
Vaishavi:「トイザらス、知ってる?」
ワタクシ:「トイザらス、知ってるよ。府中駅のすぐ近くのね。」
Vaishavi:「トイザらス、くるるの中にあるの。」
ワタクシ:「あー、思い出した!トイザらス、くるるの下にあるでしょ?」
Vaishavi:「うん。そこでよく遊んでるの。お友達の子にもよく会うの。でも、その子は英語がしゃべれないし、あたしはその子の言葉がわからないから、英語教えてるの。あいさつから。How are you?って聞かれたら、I'm fine!って言うのよって。」
(うーむ、英語教えるときの基本は万国共通なのかな・・・)

続いてもう少し会話。

ワタクシ:「お父さんのお仕事は?」
Vaishavi:「お父さんは、東芝府中で働いてる。」
(なーるほど。それで府中に住んでるんだ。バンガロールから来たっていうからエンジニアなのかも・・)

ワタクシ:「お父さんとお母さんとは英語で話してるの?」
Vaishavi:「そう。あそこにいるのがお母さん。お父さんはとなりで眠そうにしてる。」
と、両親を指差して教えてくれました。

ワタクシ:「誰が英語教えてくれるの?」
Vaishavi:「おかあさん。おかあさんが先生になって教えてくれるの。」
ワタクシ:「日本はどう?日本は好きかい?」
Vaishavi:「日本は好き。」
ワタクシ:「そうなんだ。どうして?」
Vaishavi:「日本は、町がきれい。このあいだ、海に行ったの。そしたら、ビーチもきれいだった。ゴミとかなくて、きれいね。」

仕事では英語が必要だから話してますけど、それによって英語が好きになるとか言葉が通じて嬉しいとかは全然ないんですわ、ワタクシの場合。しゃべらなくて済むものなら、仕事で英語は使いたくないってタイプなんで。
でも今日ばかりは、多少とも英語が理解できることを嬉しく思いました。また、もっとちゃんと話せたら、この子にもっと日本のこと教えてあげられるのになぁと、少々悔しい気持ちにもなりました。


その後、もう少し一緒に遊んで、うちは帰る時間に。「もう帰るの?」って言うので「うん。ごめんね。もう帰る時間なんだ。この子(下のこぞー)、お昼寝の時間なんだ。」

帰り際、お父さんお母さんのところから、「Thank You!」って大きな声で挨拶してくれたVaishavi。

こどもの日だっつーのに、自分ちの子の相手もろくにしないで他人んちの子と遊んでなにやってんだかと思わなくもなかったですが、この子には日本や日本人に接したことでイヤな思いをしてほしくなかったんです。自分が小さかった頃、最初にモスクワで地元の子供たちとケンカになってすごくイヤな思いをしたことがあり、しばらくはロシアとロシア人のこと嫌いになったままだったことがあるんです。

きっと、2~3日すれば誰と遊んだかも覚えてないと思うんです。ましてインドに帰る頃にはすっかり忘れてることでしょう。でも、ある日の休日、知らない日本人だったけど、話しかけたら遊びの輪に入れてもらえて、いやな思いをすることもなく楽しく1日を終えられた。そうなれば、また少しだけ日本を好きになってくれると思うんです。

日本を離れるその日まで、少しでも多く楽しい日々を日本で過ごしてくれたらと、こどもの日に出会った少女のことを思うのでした。

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コメント

いい話であった。

投稿: ひろん | 2006/05/06 08:57

"外交"の本質を突いてますね。
国の印象なんて、個人レベルで左右されるデリケートなものです。
将来、インド人の少女が外務大臣になったら、きっと親日派ですよ。(^^)

投稿: 元・まとりくす | 2006/05/06 11:40

なんか、すごくいい話ですね。きっと、その子はいい子になりますね!

道でもいい話ですが、一橋大付近といえば、ごく個人的には大学通りのフェルミエールとかイタリア小僧によく家族で飯を食いに行ったり、淺川塾と言うところに通わされていたり、桐朋でセンター試験受けたりと思い出深い町なので、日記の光景がありありと浮かんできました。。

投稿: ysk | 2006/05/06 20:01

ちなみに、スペルはVaishaviであってると思いますよ。
#ヒンドゥー訛りをよく聞き取れましたね。(^^; 苦手だ
Vaishaviとは、ヒンドゥー神話で有名な"シヴァ"の、最初の神妃・パールヴァティー(Parvati)の意味です。

投稿: 元・まとりくす | 2006/05/07 03:17

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